にせきなこもちぶろぐ...かつて新進気鋭の路麺愛好家学生であった(過去形)Kanapikaが、立ち食い蕎麦(路麺)についてたまーに何か書きます。
頻繁な更新は出来ませんが、そばのように細く長ーーく(極太麺もイイネ!)
天ぷらそば(610円)
横須賀線衣笠駅前。バスロータリーの一角にあるお店は、外からは店内の様子が伺い知れないが、辺りに漂うそばつゆとカレーの匂い。
そして扉を開けると満席御礼の賑わいを見せていた。
ここの名物といえばなんといってもこの天ぷら。セルクルの中で衣を散らしかきまぜながら上に野菜を乗せてゆく高度な技法で揚げられた天ぷらはとても大きく、そして揚げ玉をかき集めたような空気を含んだその様子と、横須賀市内の数店舗でみられる事から、ファンから「スカ天」と呼ばれる独特のものだ。
自分はありがたい事に丼の縁に立てかけるように盛り付けてもらえたので、スカ天のぱりぱりとしたお菓子のような部分も味わうことが出来たが、残りの部分はあっという間に、ニュースで見る北極の氷河のようにつゆに溶けて分解し、“たぬきそば”の様になってしまう。
閑話休題、ここのすごいのは天ぷらもそうだが、自家製麺の生麺ももっちりと伸びやかで、コクのある濃厚なつゆと、そこに溶けたスカ天(だったもの)を絡み上げてくれる。
こちらで年末限定で販売する「特上そば」生めんは、白く美しくもっちり伸びやか。一度頂いて食べた事があるが、また食べたいものだ。。。
ごちそうさまでした。
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そば(250円)+麺大盛(100円)+冷やし(20円)+たぬき(50円)+ネギ大盛(50円)
梅雨も明けた昼下がり。
容赦なく照り付ける日差しから逃げるように、よしず張りの店内へ。
深めの丼にたっぷり注がれた冷やしつゆは、昆布系のうまみたっぷり。
そんな透き通ったつゆの中を、もっちり感のあるゆで麺が涼しげに泳いでいる。
大盛のねぎはそれはもう山のようで、しかも刻みたてのようでしっかりと辛味がある。
ざぶざぶの美しいつゆとざくざくの山盛りのねぎに溺れる夏。
(2024/09/14)
(2024/09/14)
天ぷらそば(230円)
トレッサ横浜や二ツ池の近くの県道沿いに突如現れるお店。鶴見や新横から臨港バスで「池の下」バス停が目の前。
一見さんの素人目に見てまず何の店だか分からず、何となく上にそば・うどんとかカレーライスとか書いてある事に気づいたところで、次にやっているのかもわかりにくい。私のような路麺初心者は恐る恐る近づくしかない鶴見系の総本山。ロンモチ、ストリートビューで予習しておいた私に抜かりは無かった。
そして、注文の仕方も独特で、最初に「そば」「うどん」と言って、「はい、そば(うどん)」と用意された後で「天ぷら」とか「Aセット」などとトッピングや定食をコールする。私はちとフライング。
きっとまず最初は、関西風のようなつゆや青ネギについて触れるべきなのだろうが、私は先に天ぷらに心を奪われてしまった。香ばしく、そんでもってつゆにフワリと溶ける衣。まさしく箱根そばの造りであって路麺天ぷらそばの理想郷だと思っているのだ。そして鶴見系の所以たる関西風的な薄口・昆布系のつゆと、大門ソフト麺で作られた茹で麺。何となくこの関西風的な味に、私は鶴見区本町、潮田辺りの「リトル沖縄」との関係を想像しまうのだけれど、どういう歴史があるのだろう。塩っ気は強いのだけれども、昆布が上手にマイルドさを加えてくれるつゆ。そして平日の朝だというのに賑わう薄暗い店内。何とも不思議な空間であった。
御馳走様でした。
(2011/12/26)
かき揚そば(470円)
空が広い。梅雨明けも間近なある休日、新幹線がまっすぐに横切る平塚市北部の田園地帯は青々とした稲と空が光っている。
平塚、伊勢原、寒川の各方面への県道がぶつかるここ大島集落は、田圃の中に浮かぶ島のようにここだけいくつか住宅が集まっており、その中に今日目指してきた店があった。
周りを見るとみなそばだけでなく定食類を頼んでいるらしく、それらを一人でまかなう親父さんは忙しそうだ。
注文後揚げのかき揚げはパリパリとした食感。見た目には目立たないが具材の小海老が香ばしさを演出しいい仕事をしている。
冷凍麺は多忙で上げそびれたか、暑さにやられた我々のようにぐったり気味。
つゆはかつお系だけでなく昆布の甘みも合わせられた、神奈川の県央、湘南方面ではよく出会う味覚。
鉄道駅はなく、すぐ先を東海道新幹線が豪速で過ぎ去っていくのみなのに「駅そばうどん」を名乗るこちらのお店は、しかしながら次から次へとお客がやってきては食事をしていく。
駐車場はコイン洗車場も兼ねていて、東京都市圏を外れた車社会の郊外における、まさに「駅」のような存在なのであろう。
ごちそうさまでした。
かき揚げそば(520円)
ゆで太郎の閉店以来路麺店のなかった鶴ヶ峰に期待の新店が誕生した。
駅から区役所のほうへ続く水道道を進み、駅前郵便局の向かい側。
カウンター席とテーブル席がいくつかの小さな店内ではあるが、食券を購入すると自動で厨房へとオーダーが伝わるシステムが珍しい。
カウンター席に陣取るとすぐに目の前でバチバチと音をたててかき揚げの調理がはじまった。生麺をゆでて、雪平でつゆを温め、かき揚げを揚げて...の大変な作業だがおひとりでスムーズにされている。
さて出来上がったおそばの上には立体的で大きなかき揚げ。大ぶりにカットされた野菜をザクザクと頬張るのがたまらない。
白くほっそりとした更科系のおそばは美しく、ガツンとしたつゆもまた美味しい。
これだけハイ・クオイリティなおそばがこの価格で提供されるのだから素晴らしいものではないか。
相鉄線の地下化で駅前の様子が変わろうとも、変わらず続いていってほしい味である。
ごちそうさまでした。
かき揚げそば(680円)
橋本駅北口から三ヶ木(みかげ)行きのバスに乗り込んでおよそ20分、世にも珍しい、国道がダム湖の堰堤の上を進むようすを車窓に眺めていると、きょうの目的地「津久井湖観光センター前」バス停に到着である。
大きなダム湖、津久井湖の畔は「津久井湖城山公園・花の苑地」と呼ばれており、バス停名にもなった道の駅ふうの観光センターと、それと独立した小屋様の建物が今日訪れた「そば処花のさと」だ。その筋の人たちには「リゾート系」と呼ばれるものの一種であろうか。
ここは以前は「津久井そば」という屋号で野菜そばというものが名物だったそうだが、いつしかリニューアルされ、屋号もメニューも様変わりしたようである。
いまのウリはこの、かき揚げそば。
注文後揚げのかき揚げは立体感ある大きなもので、バリッ!というクリスピーな触感が大変好ましい。
つゆは鰹の風味が際立つもので、天ぷらの主張に負けずしっかりとしたもの。
お昼前後の短い営業時間ではあるが、わざわざ狙って食しに来たい一杯である。
ごちそうさまでした。